THA BLUE HERB 「LIFE STORY」から1年半。ビート職人O.N.Oが自身2枚目のソロアルバムを遂に完成!! もはや専売特許と呼べるドラムとビート、そしてその間を漂う表情豊かな旋律で構成される至極のMACHINE MUSICが、言葉に訳せない感情を歌い上げる!!
極北の説明不要、無心雑青葉流 A.K.A.THA BLUE HERB、不動のトライアングルの一翼、その名をO.N.O。
それまで誰も聴いた事も観た事もなく、ましてや知ろうともしなかったHIP HOP番外地、ホーム札幌に、良質音楽中毒者達の興味を根こそぎ向けさせ、吹雪に閉ざされ、凍てついた名もなき吹きだまりの情景を、愛機MPCで透明に描き、ドラムとべースに意思を持たせ、立たせ、主義を叩き込み、鍛え、世に放ち、賞賛と困惑のど真ん中を、正々堂々、多くのフォロアー達を置き去りにしながら突っ走ってきた完全無欠のファンキードラマー。昨年春のTHA BLUE HERBの5年ぶりのアルバム「LIFE STORY」発表後のTHA BLUE HERB本隊のライブの活発化と共に、自らもO.N.O名義でソロライブを再起動。ソロ活動においては、それまでの本業であったMCのバックトラックという制限から解放された、よりシンプルなダンス・ミュージックを追求し、特にテクノ・フィールドのDJ、アーティストとの交流、共感、共鳴を経て、その進化を夜毎繰り返してきた。「MACHINE LIVE」と名付けられた活躍の場は、METAMORPHOSEや渚音楽祭などの大型野外フェスを始め、JUAN ATKINS as MODEL500のJAPAN TOUR、そして列島各地のクラブ、ライブハウスと場所を選ばず、積み上げた複数のハードマシンを体で縦横無尽に操り、走らせ、その場の空気を吹き込み、抜き、差し、真夜中のダンスフロア—に絶叫と熱狂を巻き起こしてきた。
ライブ活動の充実と共に、今回のソロアルバムの構想は早々に立ち上げられ、練られていった。ライブで鳴らされていた楽曲達は、全てTHA BLUE HERBの曲ではなく、ライブのために創られた曲、すなわち全て新曲だった。それらはライブの度に壊され、検証され、再構築され、強度を増していったのだ。これを50ヵ所、つまり50回繰り返し、生き残った楽曲達だけが最終的なアウトプット、つまりレコーディングへと辿り着いたのである。ライブ用に創られ、ダンスフロアーで試され、ダンサー達の歓声に磨かれ、最後にレコーディングされるというユニークな制作方法で築かれたこれらのビートは、バックグラウンドを反映して、非常に肉体的だ。言葉を持たない、しかし饒舌な13曲の精鋭達はそれぞれ、MCの言葉を後ろから支えるというTHA BLUE HERBにおけるポジションとは異なり、文字通り問答無用に聴き手を引きつけ統率する力、そして言葉では表せない感情を聴き手に想起させる力、さらに聴き手それぞれの自由な解釈に耐えられる力を兼ね備えている。
寒さが、視点を心の内側に向けさせる季節、意識の深部へと誘うガイドとして、または意識の彼方へとぶっ飛ぶ発射装置として、このアルバムを楽しんで欲しい。
-BIZ BOSSTINO (THA BLUE HERB RECORDINGS)-
1.Signa
2.Gravity Hill
3.Effekt
4.Trench Line
5.Incell
6.Emotional Echo
7.Machine Drive
8.Light Velocity
9.Shops
10.August
11.She Sings
12.Bright Black
13.Film
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